製造業におすすめのファクタリング会社7社|材料費と検収待ちの資金繰り
製造業のファクタリングを原材料費、部品仕入れ、外注加工費、検収後入金、手形・でんさいとの違いから解説。必要書類、審査、注意点、おすすめ会社7社を比較します。

製造業のファクタリングは、製品納入後の請求書や加工費の売掛金を入金日前に資金化し、原材料費・部品代・外注加工費・人件費などの先行支払いに備える方法です。製造業では、仕入れ、製造、検品、納品、検収、請求、入金という流れの中で、現金が先に出ていきやすくなります。
特に下請け・町工場・部品メーカーでは、材料や外注加工費を先に支払う一方、売掛先からの入金は翌月末や翌々月末になることがあります。さらに原材料費やエネルギー費が上がっても、すぐに販売価格へ転嫁できない場合は、売上があっても手元資金が不足しやすくなります。
製造業でファクタリングが必要になりやすい理由、対象になりやすい売掛金、手形・電子記録債権との違い、審査で見られる資料、必要書類、ファクタリング会社8選を整理します。冒頭に汎用的なリンク集は置かず、必要な関連記事は本文中と末尾に絞って入れています。
製造業におすすめのファクタリング会社7社【比較表】
ここに載せているのは、製造業への対応を公式サイトで明示している会社だけです。該当したのは7社です。掲載社数を揃えるための水増しはしていません。
※ 掲載順は業者間の優劣を示すものではありません。公表値はいずれも最も条件が良い場合のもので、実際の条件は売掛先や債権内容によって変わります。
| 会社名 | 対象 | 手数料 | 入金スピード | 買取可能額 | オンライン完結 |
|---|---|---|---|---|---|
| トップ・マネジメント | 法人・個人事業主 | 2社間3.5%〜・3社間0.5%〜 | 最短即日 | 公表なし | 可 |
| GMO BtoB早払い | 法人のみ | 請求書1〜10%・注文書2〜12% | 審査完了後最短2営業日 | 100万円〜1億円(1回は5,000万円が目安) | 可(対面でも対応) |
| 法人専門ファクタリングのBIG | 法人のみ | 1%〜(3社間。2社間は5%〜) | 最短即日(見積は最短30分回答) | 2社間30万円〜・3社間100万円〜(上限の公表なし) | 可 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 法人・個人事業主 | 1.5%〜(上限の記載なし) | 最短3時間 | 下限・上限なし | 可 |
| えんナビ | 法人・個人事業主 | 5%〜(上限の記載なし) | 最短1日 | 50万円〜5,000万円(30万円〜の表記も) | 可(来社か出張が基本) |
| PMGファクタリング | 法人・個人事業主(個人は取引内容次第) | 2社間2%〜 | 最短即日(FAQでは平均3日ほど) | 50万円〜上限なし(最大2億円の表記も) | 可 |
| 西日本ファクター | 九州・中国・関西の法人・個人事業主 | 公表なし | 最短即日(公式内に最短1日の表記も) | 〜3,000万円(下限の記載なし) | 可 |
※ 掲載情報は2026年8月時点で各社公式サイトを確認したものです(法人専門ファクタリングのBIGは2026-09-10に再確認)。最新の条件は各社にご確認ください。
製造業におすすめのファクタリング会社7社の特徴と条件
冒頭の比較表に載せた会社について、条件と確認しておきたい点を紹介します。公表値はいずれも最も条件が良い場合のもので、実際の条件は売掛先や債権内容によって変わります。
トップ・マネジメント
請求書を出す前の段階や、業界に合わせたメニューで資金化したい会社に向く会社です。通常の2社間(3.5%〜)・3社間(0.5%〜)に加えて、見積書・受注書・発注書の段階で資金化する「見積書・受注書・発注書ファクタリング」、広告業界・IT業界専門の「ペイブリッジ」、助成金の申請とファクタリングを同時に進める「ゼロファク」を用意しています。3社間では、143社の中堅・大手企業から債権譲渡の認可を得た実績を公表しています。
こんな人・会社に
- 請求書の発行前に資金が必要な法人
- 広告・IT業界の売掛金を資金化したい会社
- 取引先の承諾を得て、3社間で手数料を抑えたい会社
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人・個人事業主(見積書・受注書・発注書の段階の買取は法人のみ) |
| 手数料 | 2社間 3.5%〜 / 3社間 0.5%〜 |
| 入金スピード | 最短即日(申し込み当日の資金化を案内) |
| 買取可能額 | 公表なし |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 主なメニュー | 見積書・受注書・発注書ファクタリング / ペイブリッジ(広告・IT業界) / ゼロファク(助成金と同時) / オンライン完結型 |
| 運営会社 | 株式会社トップ・マネジメント(2009年4月21日設立) |
| 所在地 | 東京都千代田区鍛冶町1-4-3 竹内ビル2F |
出典: トップ・マネジメント「商品案内」/トップ・マネジメント「会社概要」/トップ・マネジメント「導入事例 製造業」(2026年9月11日確認)
GMO BtoB早払い
請求書を出す前の受注の段階から、まとまった金額を資金化したい法人に向くサービスです。東証プライム上場のGMOペイメントゲートウェイが運営し、請求書買取(手数料1%〜10%)に加えて、注文書の段階で受注金額の最大50%まで買い取る注文書買取(2%〜12%)を用意しています。売掛債権は100万円〜1億円までが対象で、取引先への通知が原則不要な2者間の契約です。専任の担当者が対面でもオンラインでも対応し、2回目以降は利用審査が要らず、決まった買取限度の範囲で繰り返し使えます。
こんな人・会社に
- 受注から入金までの期間が長い案件を抱える法人
- 数百万円〜数千万円の売掛金を資金化したい会社
- 担当者と相談しながら継続して使いたい会社
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人のみ(個人事業主は不可) |
| 手数料 | 請求書買取 1%〜10% / 注文書買取 2%〜12% |
| 入金スピード | 審査完了後 最短2営業日(利用審査の結果も最短2営業日で回答) |
| 買取可能額 | 100万円〜1億円(1回あたり100万円〜5,000万円が目安。注文書買取は受注金額の最大50%まで) |
| 契約方式 | 2者間(取引先への通知・登記は原則なし。代金の受け取りは原則仮想口座) |
| 必要書類 | 利用審査:決算書2期分・試算表・取引基本契約書など・審査依頼書(当社フォーマット)/買取審査:見積書・発注書・請求書・納品確認書(検収書)・通帳履歴1か月分など |
| 面談・来店 | 担当営業が対面でサポート(オンライン対応も可) |
| 運営会社 | GMOペイメントゲートウェイ株式会社(1995年3月設立) |
| 所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス(本社)/大阪(大阪市北区)・九州(福岡市中央区)にも拠点 |
出典: GMO BtoB早払い 公式サイト(FAQを含む)/GMOペイメントゲートウェイ「会社概要」(2026年9月11日確認)
法人専門ファクタリングのBIG
法人専門ファクタリングのBIG(当社)は、法人の売掛金を対象にしたファクタリング会社です。売掛先の信用力をもとに審査するため、赤字決算や創業直後でも相談できると案内しています。手数料は2社間5%〜・3社間1%〜で、見積もりに記載の手数料のほかに費用はかかりません(振込手数料も当社負担)。必要書類は本人確認書類・請求書・通帳コピーの3点が基本で、電子契約でオンライン完結します。
こんな人・会社に
- 赤字決算や創業直後で、融資の審査に時間がかかりそうな法人
- 取引先の承諾を得て、3社間で手数料を抑えたい法人
- 担当者に相談しながら進めたい法人
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人のみ(個人事業主・フリーランスは対象外) |
| 手数料 | 2社間 5%〜 / 3社間 1%〜 / 医療報酬・介護報酬 1%〜 |
| 入金スピード | 最短即日(見積もり回答は最短30分) |
| 買取可能額 | 2社間 30万円〜 / 3社間 100万円〜(上限の公表なし) |
| 契約方式 | 2社間・3社間の両方に対応 |
| 必要書類 | 本人確認書類・請求書・通帳コピーの3点が基本。取引内容や金額により追加書類あり |
| 面談・来店 | 来店不要(希望すれば本社で対面相談も可)。電子契約でオンライン完結 |
| 運営会社 | 株式会社ビッグパートナーズ |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿三丁目3-13 西新宿水間ビル6F |
出典: 法人専門ファクタリングのBIG「料金」/法人専門ファクタリングのBIG「ご利用の流れ」/法人専門ファクタリングのBIG「よくある質問」/法人専門ファクタリングのBIG「会社概要」(2026年9月11日確認)
日本中小企業金融サポート機構
一般社団法人が運営するファクタリングで、買取金額に下限・上限を設けていないため、少額から大口まで同じ窓口で相談したい法人・個人事業主に向きます。手数料は1.5%〜で、2者間・3者間から契約方法を選べます。必要書類は口座の入出金履歴(直近3か月分)と売掛金に関する書類(請求書・契約書など)の2点で、審査結果は最短30分、入金は最短3時間です。クラウドサインで来所せずに契約まで進められ、書類をアップロードして申し込むオンラインのサービス「FACTOR⁺U」もあります。助成金・補助金やM&Aなど、ファクタリング以外の相談窓口も持っています。
こんな人・会社に
- 金額の大小を問わず相談したい法人・個人事業主
- 来所せずに契約まで済ませたい人
- 資金繰りや助成金もあわせて相談したい中小企業
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人・個人事業主(売掛先が法人の場合) |
| 手数料 | 1.5%〜(上限の記載なし) |
| 入金スピード | 最短3時間(審査結果は最短30分) |
| 買取可能額 | 下限・上限なし(1万円〜2億円の買取実績) |
| 契約方式 | 2者間・3者間 |
| 必要書類 | 口座の入出金履歴(直近3か月分)・売掛金に関する書類(請求書・契約書など)の2点 |
| 面談・来店 | 非対面で申し込みから契約まで可能(クラウドサイン)。対面・郵送での契約も可 |
| 主なメニュー | ファクタリング / オンラインファクタリング「FACTOR⁺U」(入金まで最短40分と案内) / 助成金・補助金・M&Aなどの相談 |
| 運営会社 | 一般社団法人日本中小企業金融サポート機構(2017年5月設立・経営革新等支援機関) |
| 所在地 | 東京都港区芝大門1-2-18-2F(商業登記上の本店所在地:東京都中央区銀座六丁目6番1号) |
出典: 日本中小企業金融サポート機構「ファクタリング」/日本中小企業金融サポート機構 公式サイト/日本中小企業金融サポート機構「組織概要・実績」(2026年9月11日確認)
えんナビ
夜間や土日祝日にも電話で相談を始めたい法人・個人事業主に向く会社で、24時間365日スタッフが対応すると案内しています。手数料は5%〜(売掛先や支払いサイトで変動)、買取額は50万円〜5,000万円で、2社間・3社間のどちらにも対応し、償還請求権のないノンリコース契約です。必要書類は請求書と3ヶ月分の通帳で、最短1日での資金化を案内しています。他社のファクタリングからの乗り換えや、見積もりの相談だけの問い合わせも受け付けています。
こんな人・会社に
- 夜間・休日に相談を始めたい法人・個人事業主
- 数十万円〜数千万円の売掛金を資金化したい会社
- 担当者と会って話しながら進めたい人
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人・個人事業主 |
| 手数料 | 5%〜(売掛先・支払いサイトなどにより変動) |
| 入金スピード | 最短1日 |
| 買取可能額 | 50万円〜5,000万円(会社概要ページには「最低30万円」の表記もあり) |
| 契約方式 | 2社間・3社間(ノンリコース) |
| 必要書類 | 請求書・通帳(3ヶ月分) |
| 面談・来店 | 本社への来社またはスタッフの出張が基本。郵送のみ・オンラインでの契約も可 |
| 運営会社 | 株式会社インターテック(2017年創業) |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋本町4-3-4 東海日本橋ビル3階 |
出典: えんナビ 公式サイト/えんナビ「よくあるご質問」/えんナビ「ファクタリングの流れとは?」/えんナビ 公式LP/えんナビ「会社概要」(2026年9月11日確認)
PMGファクタリング
売掛金の資金化とあわせて、金融機関対策や税金・社会保険料の猶予の相談、税理士マッチングなど経営全体の相談もしたい法人に向く会社です。2社間・3社間の両方に対応し、取引先に通知しない2社間の手数料を2%〜と案内しています。売買手数料以外の費用は発生しないとしています。買取額は50万円〜上限なしで、500万円の売掛金のうち必要な100万円分だけを買取対象にするといった使い方もできると案内しています。申し込みはWebで24時間受け付け、契約はオンラインのほか全国で対面でもできます。
こんな人・会社に
- 資金化とあわせて資金繰り全体を相談したい中小〜中堅法人
- 売掛金の一部だけを資金化したい会社
- 地方から、担当者と対面で契約したい会社
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人・個人事業主(個人事業主は取引内容次第・追加書類の場合あり) |
| 手数料 | 2社間 2%〜(よくある質問では買取率を通常97〜92%と案内)。売買手数料以外の費用なし |
| 入金スピード | 最短即日(最短30分〜最短2時間の表記が混在。平均は3日ほど) |
| 買取可能額 | 50万円〜上限なし(オンラインファクタリングのページには最大2億円の表記) |
| 契約方式 | 2社間・3社間(ノンリコース) |
| 必要書類 | 口座の入出金履歴(直近3か月分)・売掛金に関する書類(請求書・契約書など)。審査状況により追加書類 |
| 面談・来店 | オンラインで申し込み・契約が可能。全国で対面契約も可(一部エリアはWeb会議) |
| 主なメニュー | 売掛金早期資金化(ファクタリング) / 財務コンサルティング / 金融機関対策支援 / 税金・社会保険料等の猶予アドバイス / 税理士マッチング |
| 運営会社 | ピーエムジー株式会社(2015年6月設立・資本金1億円) |
| 所在地 | 東京本社:東京都新宿区西新宿2丁目4番1号 新宿NSビル25F / 大阪支店:大阪市淀川区宮原 / 福岡支店:福岡市博多区 / 営業所:札幌・仙台・西新宿・渋谷・さいたま・千葉・横浜・名古屋・大阪北・広島 |
出典: ピーエムジー「法人向けファクタリングサービス」/ピーエムジー「手数料」/ピーエムジー「オンラインファクタリング」/ピーエムジー「よくある質問」/ピーエムジー「会社概要」(2026年9月11日確認)
西日本ファクター
福岡市に本社を置き、九州を中心に中国・関西の事業者を対象にしているファクタリング会社です(大阪と熊本に営業所)。売掛先が法人であれば個人事業主も使え、2社間・3社間のどちらでも契約できます。請求書はスマートフォンで撮影して送り、契約はクラウド契約で完全非対面でも進められます。買取可能金額は3,000万円までで、少額の買取も行っていると案内しています。見積もり時の手数料以外に費用は請求しないとしています。
こんな人・会社に
- 福岡・九州の事業者
- 法人あての売掛金がある個人事業主
- 来社せずにクラウド契約で進めたい人
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 法人・個人事業主(売掛先が法人の場合) |
| 手数料 | 公表なし(審査後に提示。見積もり時の手数料以外の費用は請求しないと案内) |
| 入金スピード | 最短即日(条件が合えば即日1,000万円まで。よくある質問では最短1日) |
| 買取可能額 | 〜3,000万円迄(下限の記載なし・少額にも対応) |
| 契約方式 | 2社間・3社間(償還請求権なし) |
| 必要書類 | 商業登記簿謄本・印鑑証明書・基本契約書・銀行通帳・決算書または確定申告書(二期分)・請求書や発注書など。契約時は代表者の身分証明書等も |
| 面談・来店 | クラウド契約で完全非対面の契約が可能 |
| 対応地域 | 九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島) / 中国(岡山・広島・山口) / 関西(大阪・兵庫) |
| 運営会社 | 株式会社西日本ファクター(2017年9月設立) |
| 所在地 | 本社:福岡市中央区薬院2丁目2-18 大地ビル2F / 大阪営業所:大阪市北区堂山町1-5 三共梅田ビル / 熊本営業所:熊本市東区保田窪4丁目12-37 |
出典: 西日本ファクター 公式サイト/西日本ファクター「ご利用条件」/西日本ファクター「よくあるご質問」/西日本ファクター「お申し込みの流れ」/西日本ファクター「他社利用中でのお乗換え」/西日本ファクター「会社概要・アクセス」(2026年9月11日確認)
製造業でファクタリングが必要になりやすい理由
製造業でファクタリングが必要になりやすい理由は、仕入れや製造に必要な支払いが先に発生し、売掛金の入金が後になるからです。受注が増えるほど材料費や外注費も増えるため、黒字でも資金繰りが詰まることがあります。
原材料・部品仕入れを先に支払う必要がある
製造業では、製品を作る前に原材料や部品を仕入れる必要があります。売掛先からの入金を待ってから仕入れるのでは、納期に間に合わないため、仕入れ資金を先に確保しなければなりません。
ファクタリングは、すでに発生している売掛金を早めに資金化する方法です。次の製造ロットの材料費や部品代に備える場合は、どの請求書を資金化するかを先に整理しましょう。
仕入れから製造・納品・検収・入金までの期間が長い
製造業のお金の流れは、仕入れ、製造、検品、納品、検収、請求、入金という順番で進みます。この流れの中で、多くの支払いは仕入れや製造の段階で発生します。
一方で、入金は納品や検収の後になり、さらに月末締め翌月末払いや翌々月払いになることがあります。入金までの時間差が長いほど、売掛金の早期資金化を検討する場面が増えます。
部品や原材料、専用の金型などの製造を他の事業者に委託する取引は、2026年1月施行の取適法(中小受託取引適正化法)の「製造委託」に当たることがあります。資本金・従業員数の基準を満たす取引では、発注側は物品を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める必要があります。公正取引委員会の運用基準には、自動車部品の製造を委託していた事業者が「毎月25日納品締切、翌々月5日支払」という支払制度をとっていたため、受領から60日を超えて代金を支払っていた違反事例が載っています。翌々月払いの取引では、対象かどうかを確認しておきましょう。
※出典:公正取引委員会「委託事業者の義務」[1]/公正取引委員会「中小受託取引適正化法に関する運用基準」[2]

大手メーカー・商社との取引は支払いサイトが長くなることがある
大手メーカーや商社との取引は、売掛先の信用力を説明しやすい一方、支払いサイトが長くなることがあります。継続取引で受注が安定していても、入金が遅ければ手元資金は不足します。
売掛先の信用力が高い請求書は、ファクタリング会社にとって確認しやすい売掛金になる場合があります。ただし、契約書、発注書、納品書、検収書などの整合性は必要です。
外注加工費・人件費・光熱費・物流費が毎月発生する
製造業では、外注加工費、人件費、工場の光熱費、物流費、設備保全費などが毎月発生します。売掛金の入金が遅れても、これらの支払いを止めると製造や納品に影響します。
特に外注加工先や協力工場への支払いが遅れると、次の生産体制にも影響します。支払い予定表を作り、入金待ちの売掛金と対応させておくことが重要です。
在庫・仕掛品が増えると手元資金が不足しやすい
在庫や仕掛品が増えると、帳簿上は資産でも現金として使えません。材料を仕入れて製造途中の商品が増えるほど、手元資金は在庫や仕掛品に固定されます。
ファクタリングは在庫そのものを資金化する方法ではありません。請求済みの売掛金を資金化し、在庫や仕掛品で固定された資金を補う使い方が現実的です。
原材料費・エネルギー費の高騰を価格転嫁しにくい
原材料費やエネルギー費が上がっても、中小製造業はすぐに販売価格へ転嫁できないことがあります。中小企業庁の資料でも、コスト上昇分の価格転嫁が重要な課題として扱われています。
取適法の運用基準は、労務費、原材料価格、エネルギーコストなどの上昇分を取引価格に反映する必要性について、価格の交渉の場で明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くことを、買いたたきに該当するおそれのある方法として挙げています。
※出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法に関する運用基準」[2]
価格改定が決まるまでの間も、材料費や光熱費の支払いは続きます。ファクタリングは価格転嫁そのものを解決する方法ではありませんが、入金待ちの売掛金を使って短期の資金繰りをつなぐ選択肢になります。
急な大口受注・増産で運転資金が増える
急な大口受注や増産依頼があると、材料費、外注加工費、人員確保、物流費が一気に増えます。受注はありがたい一方、先行支払いに対応できなければ生産機会を逃すことがあります。
既存の売掛金を資金化できれば、次のロットや増産に必要な運転資金を確保しやすくなります。受注拡大のために使う場合でも、手数料を差し引いた後の利益を確認してください。
製造業でファクタリングできる売掛金
製造業でファクタリングを検討するときは、どの売掛金が確定しているかを先に整理します。製品納入後の請求書、加工費、OEM製造費、手形・電子記録債権、注文書段階では、確認される資料や対応可否が異なります。
製品納入後に発行した請求書が主な対象
製造業で最も相談しやすいのは、製品を納入し、請求書を発行済みの売掛金です。請求先、金額、支払期日、納品内容、検収状況が確認できれば、ファクタリング会社が審査しやすくなります。
製品納入後の請求書を資金化したい場合は、取引基本契約書、発注書、注文請書、納品書、受領書、検収書、過去の入金履歴を合わせて準備しましょう。
加工費・部品製造費・OEM製造費の売掛金も対象になり得る
加工費、部品製造費、OEM製造費の請求書も、法人向けの売掛金として支払期日が確認できれば相談対象になり得ます。取引先が継続的に支払っている場合は、回収可能性を説明しやすくなります。
ただし、加工内容、数量、単価、検収条件、支払条件が契約書や発注書と一致している必要があります。請求書だけでなく、発注の根拠を示す資料を用意してください。
検収済み・受領済みの売掛金は説明しやすい
検収済みまたは受領済みの売掛金は、売掛金が確定していることを説明しやすいです。納品書、受領書、検収書、検収完了メールなどがあると、請求の根拠を示しやすくなります。
製造業では、不良品対応や数量違い、追加検査によって検収が遅れることがあります。資金化を急ぐ場合ほど、検収状況を確認できる資料を先に揃えましょう。
なお、取適法の対象となる製造委託では、発注側が納品物を検査するかどうかを問わず、支払期日は物品を受領した日から数えて60日以内に定めることとされています。検収が遅れても、この期限は後ろにずれません。
月末締め翌月末払い・翌々月払いの継続取引に使いやすい
継続取引の売掛金は、過去の入金履歴を確認しやすいです。毎月の納品、請求、入金が繰り返されている場合は、売掛先の支払い実績を説明できます。
月末締め翌月末払いや翌々月払いの請求書がある場合、入金日前の資金化を検討しやすくなります。継続取引ほど、請求書と入金履歴を月別に整理しておきましょう。
手形・電子記録債権とファクタリングの違い
製造業では、代金が現金振込ではなく約束手形や電子記録債権で支払われることがありますが、取適法の対象となる取引では下記のとおり制限されています。公正取引委員会と中小企業庁は、支払条件の改善や手形等のサイト短縮について要請しています。
取適法では、2026年1月1日以後の発注に係る製造委託等の代金を手形で支払うことが禁止されています。電子記録債権や一括決済方式も、物品の受領から60日以内に定めた支払期日までに代金の満額を現金で受け取れないものは使えません。また、電子交換所での手形・小切手の交換は2027年3月31日に廃止されることになっており、多くの金融機関が2026年9月30日を手形・小切手の最終振出期限に設定しています。
電機・電子分野では、電子情報技術産業協会(JEITA)の自主行動計画(2025年12月改訂)が、約束手形で支払わず、受領日から60日以内の支払期日までに代金を満額の現金で受け取れるようにする方針を掲げ、大企業間の取引でも手形等のサイト短縮や現金払い化に努めるとしています。
※出典:公正取引委員会「約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化について」(2026年9月2日)[3]/公正取引委員会「『手形が下請代金の支払手段として用いられる場合の指導基準の変更について』の発出について」(2024年4月30日)[4]/電子情報技術産業協会「適正取引の推進とパートナーとの価値協創に向けた自主行動計画」(2025年12月改訂)[5]

手形割引やでんさい割引と、請求書を対象にするファクタリングは仕組みが異なります。何を資金化したいのかが請求書なのか、手形なのか、電子記録債権なのかを分けて確認してください。
注文書段階・未納品・検収未完了の案件は対象になりにくい
注文書段階、未納品、検収未完了の案件は、売掛金が確定していないため、通常の請求書ファクタリングの対象にはなりにくいです。将来発生する見込み売上を買い取る取引ではないからです。
注文書段階で資金が必要な場合は、注文書ファクタリングに対応する会社、融資、支払条件の交渉など、別の方法も比較する必要があります。
製造業がファクタリングを使うメリット
製造業がファクタリングを使うメリットは、入金前の売掛金を活用して、仕入れや生産に必要な支払いを止めずに済むことです。借入とは異なる仕組みのため、銀行融資の審査を待てない場面でも売掛金をもとに相談できます。
原材料費・部品代の支払い前に資金を確保しやすい
ファクタリングを使うと、売掛先からの入金日を待たずに、原材料費や部品代の支払いに必要な資金を確保しやすくなります。仕入れが止まると生産も止まるため、支払い予定を守ることは重要です。
急ぎの資金化では、申込時間、必要書類、契約方式が入金スピードに影響します。支払い日が近い場合は、即日ファクタリングやオンライン対応の会社を比較しましょう。
大手メーカー・商社向けの売掛金は説明しやすい
ファクタリングでは、利用会社の財務状況だけでなく、売掛先であるメーカーや商社の信用力も確認されます。大手企業や継続取引先への売掛金は、支払い能力や回収可能性を説明しやすい傾向があります。
自社の資金繰りが一時的に厳しくても、売掛先の支払い実績、契約書、請求書、入金予定が整理されていれば相談できる余地があります。審査で見られる項目はファクタリング審査の基礎も参考になります。
借入ではないため負債を増やさずに資金化できる
ファクタリングは売掛債権の売買であり、融資とは異なります。金融庁も、一般的なファクタリングは売掛債権等を期日前に一定の手数料で買い取るサービスで、法的には債権譲渡契約であると説明しています。
借入ではないため、返済負担を増やさずに資金化できる点は製造業にとってメリットです。ただし、手数料は発生するため、製品や加工案件の粗利と資金化コストを照らし合わせる必要があります。
急な大口受注・増産のチャンスを逃しにくい
製造業では、急な大口受注や増産の依頼があっても、手元資金が足りずに材料や外注先を確保できないことがあります。既存の売掛金を早めに資金化できれば、次の生産に対応しやすくなります。
受注機会を逃さないためには、資金化できる売掛金を普段から整理しておくことが大切です。取引先別の入金予定と支払い予定を見える化しておくと、必要なタイミングで相談しやすくなります。
銀行融資を待てない短期資金に対応しやすい
銀行融資は、審査や契約に時間がかかることがあります。材料費の支払い日や外注先への支払い日が迫っている場合、融資の結果を待っているだけでは間に合わないことがあります。
ファクタリングは、売掛金の存在と回収可能性をもとに資金化を相談する方法です。短期の入金待ちをつなぐ用途に絞ると、使いすぎを避けやすくなります。
赤字決算・一時的な資金不足でも相談できる場合がある
ファクタリングでは、利用会社の決算内容だけでなく売掛先の信用力や請求書の確実性も見られます。そのため、赤字決算、一時的な資金不足、原材料費高騰による収益悪化があっても、売掛金の内容によっては相談できる場合があります。
ただし、条件は会社ごとに異なります。資金繰りが厳しい状況ほど、売掛先、支払期日、必要資金、入金後の精算予定を隠さず整理して相談してください。
製造業でファクタリングを使うデメリット・注意点
ファクタリングは製造業の資金繰りに役立つ一方、手数料や契約条件を誤ると製品や加工案件の利益を圧迫します。検収、返品、相殺、値引き、手形など、製造業ならではの確認事項もあります。
手数料により売掛金の受取額は減る
ファクタリングでは、売掛金の額面から手数料を差し引いた金額が入金されます。売掛金額が大きいほど、手数料率のわずかな違いが大きな金額差になります。
見積もり時には、ファクタリング手数料だけでなく、事務手数料、登記費用、振込手数料、出張費などの追加費用も確認してください。総額でいくら受け取れるかを見なければ、比較はできません。
粗利の薄い下請け・量産案件では採算が悪化しやすい
下請け製造や量産案件では、材料費や外注加工費の比率が高く、粗利が限られることがあります。粗利の薄い案件でファクタリング手数料を負担すると、案件全体の採算が悪化する可能性があります。
利用前には、請求額、原材料費、部品代、外注加工費、人件費、光熱費、ファクタリング手数料を差し引いた最終利益を確認しましょう。
検収遅延・返品・不良品対応があると確認が増える
検収遅延、返品、不良品対応、再加工が残る案件では、請求金額が確定しているかを確認されます。納品済みでも、検収前や不良対応中の案件は資金化しにくい場合があります。
検収書、受領書、検収完了メール、品質確認の記録などがあれば、売掛金が確定していることを説明しやすくなります。トラブルがある場合は隠さず伝えましょう。
相殺・値引き・リベートがある取引は請求額を整理する
製造業では、材料支給、相殺、値引き、リベート、返品控除などが取引に含まれることがあります。請求額と実際の入金額が異なる場合、ファクタリング会社は確認を増やす可能性があります。
相殺や値引きがある場合は、契約書、請求書、支払通知書、入金明細を整理してください。最終的にいくら入金される売掛金なのかを明確にすることが重要です。
取適法の対象となる取引では、受託側に責任がないのに代金を減額することや、受領後に返品することが禁止されています。運用基準は、振込手数料を代金から差し引くことなども減額の例として挙げています。値引きやリベート、返品控除が差し引かれている場合は、その根拠を契約書や発注時の取り決めで確認しておきましょう。
※出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法に関する運用基準」[2]

債権譲渡禁止特約・取引先への通知条件を確認する
取引基本契約書や製造委託契約書に債権譲渡禁止特約、通知条件、承諾条件がある場合は、ファクタリング利用前に確認が必要です。取引先との契約上のトラブルを避けるため、条項を把握しておきましょう。
2020年4月施行の改正民法では、譲渡制限特約があっても債権譲渡の効力そのものは妨げられないとされました(民法466条2項)。ただし、譲受人が特約を知っていたか、重大な過失で知らなかった場合には、取引先は支払いを拒むことなどができます(同条3項)。特約があるから利用できないとは限りませんが、契約書の確認は欠かせません。
※出典:e-Gov法令検索「民法」第466条[6]/法務省「債権譲渡に関する見直し(債権の譲渡制限特約)」[7]
取引先に知られたくない場合でも、契約書の内容、債権譲渡登記の有無、通知が必要になる条件は確認します。2社間で進められるかだけで判断しないようにしてください。
手形割引・でんさい割引・ABL・融資との違いを確認する
製造業の資金調達には、手形割引、でんさい割引、ABL、融資などもあります。ファクタリングは売掛金を売却して資金化する方法であり、これらの方法とは対象や契約内容が異なります。
請求書を資金化したいのか、手形や電子記録債権を割り引きたいのか、在庫や機械設備を担保に融資を受けたいのかを分けて考えましょう。目的に合わない方法を選ぶと、費用や手続きで不利になることがあります。
給与ファクタリングや偽装ファクタリングと混同しない
本記事で扱うのは、製造業者が保有する事業上の売掛金を対象にしたファクタリングです。個人の給与を対象にする給与ファクタリングや、ファクタリングを装った高金利の貸付けとは別物です。
金融庁は、ファクタリングを装ったヤミ金融業者や給与ファクタリングに注意を促しています。同庁は、業として個人(労働者)の賃金債権を買い取って金銭を交付し、その個人を通じて資金を回収する「給与ファクタリング」は貸金業に該当するとしています。契約上は債権譲渡でも、実態として返済義務や買戻し義務を負わせる取引には注意が必要です。
悪質業者を避けるチェックポイント
悪質業者を避けるには、会社情報、契約書、手数料、償還請求権、追加費用を確認します。所在地や運営会社が不明、契約書を見せない、極端に高い手数料を提示する、担保や保証人を求める業者は避けるべきです。
悪質業者チェックリスト
- 会社の所在地、代表者、運営会社が公式サイトに明記されていない
- 契約書を作成しない、または契約書の控えを渡さない
- 手数料や追加費用の総額を契約前に説明しない
- 売掛先が支払わない場合に利用者へ買戻しを求める
- 給与や個人向け債権の買取を勧める
製造業のファクタリング審査で見られるポイント
製造業のファクタリング審査では、売掛先の信用力だけでなく、契約書、発注書、請求書、納品書、受領書、検収書などの整合性が確認されます。製造業は取引条件や支払方法が複雑になりやすいため、取引先別に資料を整理することが重要です。

売掛先企業の信用力・支払い実績
ファクタリング会社は、売掛先であるメーカー、商社、元請け企業が期日どおり支払えるかを確認します。大手企業、継続取引先、過去に入金遅延がない取引先への売掛金は、回収可能性を説明しやすい傾向があります。
過去の入金履歴、継続契約、発注実績、請求書の支払期日を示せると、売掛金の回収見込みを説明しやすくなります。
取引基本契約書・発注書・請求書の整合性
取引基本契約書、製造委託契約書、発注書、注文請書、請求書の金額、製品名、数量、支払条件、取引先名が一致しているかは重要です。書類ごとに表記が異なる場合は、どの契約に基づく請求なのかを説明できるようにしましょう。
請求書だけでなく、契約書や発注書を添えることで、売掛金が実在する取引に基づくものだと示しやすくなります。
納品書・受領書・検収書の有無
納品書、受領書、検収書は、製品が納入され、取引先に確認されたことを示す資料です。検収済みの売掛金であることを示せると、審査が進みやすくなります。
正式な検収書がない場合でも、受領印のある納品書、検収完了メール、支払通知書などが補足資料になることがあります。手元にある資料を先に整理して相談しましょう。
継続取引・過去の入金履歴
過去の入金履歴は、取引先が期日どおり支払っているかを示す資料です。継続取引があり、これまでの入金に問題がなければ、売掛金の回収可能性を説明しやすくなります。
新規取引先や初回納品の場合は、契約書、発注書、取引先情報、支払条件をより丁寧に確認されることがあります。
仕入れ・外注費・人件費の支払い予定
仕入れ、外注加工費、人件費の支払い予定は、なぜ資金化が必要なのかを説明する資料です。支払日と金額を一覧にしておくと、必要資金を伝えやすくなります。
資金化する売掛金と支払い予定が対応していると、利用額を過大にしにくくなります。支払い日が近い場合は、入金希望日も明確にして相談しましょう。
複数取引先の売掛金をまとめる場合の注意点
複数取引先の売掛金をまとめて資金化する場合は、請求書、支払期日、取引先名、契約書、入金履歴を取引先別に整理します。製造業では取引先ごとに支払条件や相殺条件が異なるため、混在させると確認に時間がかかります。
まとめて資金化すると入金額は大きくなりますが、手数料や支払期日の違いも複雑になります。見積もり時には、どの売掛金にどの条件が適用されるのかを確認してください。
町工場・個人事業主で確認されやすい点
町工場や個人事業主は、本人確認書類、請求書、入出金明細、取引先との契約書、納品資料などを確認されやすいです。法人専門のファクタリング会社は対象外になるため、対象者を事前に確認しましょう。
個人事業主向けサービスは小口・即日対応に強い一方、手数料が固定または高めになることがあります。スピードだけでなく受取額を確認することが大切です。
製造業で準備したい必要書類
製造業でファクタリングをスムーズに進めるには、請求書だけでなく、契約内容、納品・検収状況、入金予定、支払い予定を示せる資料を揃えます。必要書類は会社ごとに異なりますが、事前準備ができているほど見積もりや審査が進めやすくなります。

取引基本契約書・製造委託契約書
取引基本契約書や製造委託契約書は、売掛金の根拠を示す資料です。契約期間、製造内容、支払条件、検収条件、債権譲渡に関する条項を確認します。
基本契約と個別発注が分かれている場合は、両方を揃えると説明しやすくなります。どの請求書がどの契約に基づくものかを明確にしてください。
発注書・注文書・注文請書
発注書、注文書、注文請書は、取引先から依頼された製品や加工内容、数量、単価、納期を示す資料です。請求書だけでは売掛金の背景がわかりにくい場合、補足資料として役立ちます。
追加発注や仕様変更がある場合は、変更発注書、見積書、合意メールも揃えておきましょう。請求額が増えた理由を説明できると、確認が進みやすくなります。
製品別・取引先別の請求書
請求書は、ファクタリングで最も基本になる資料です。取引先名、請求額、支払期日、製品名、数量、発行日が確認できるものを用意します。
複数の請求書をまとめる場合は、製品別・取引先別・支払期日別に整理します。入金予定が近い請求書から優先して確認すると、必要資金との対応関係が見えやすくなります。
納品書・受領書・検収書
納品書、受領書、検収書は、製品が取引先に届き、請求できる状態になったことを示す資料です。検収条件付きの取引では、検収完了を示す資料が特に重要になります。
取引先の正式な検収書がない場合でも、受領印のある納品書、検収完了メール、支払通知書などが補足資料になることがあります。手元にある資料を整理して相談しましょう。
入出金明細・決算書・試算表
入出金明細は、過去の入金履歴や売掛先との取引実績を確認する資料です。決算書や試算表は、会社の状況を把握するために求められることがあります。
法人専門ファクタリングのBIGでは、本人確認書類・請求書・通帳コピーの3点が基本の必要書類として案内されており、取引内容や金額によっては登記簿謄本・決算書などの追加書類を求められる場合があります。会社ごとに必要書類は異なるため、ファクタリングの必要書類も確認しておきましょう。
原材料費・部品代・外注加工費の支払い予定表
支払い予定表は、なぜ資金化が必要なのかを整理する資料です。原材料費、部品代、外注加工費、人件費、光熱費、物流費の支払日と金額を一覧にします。
資金化する売掛金と支払い予定が対応していると、必要金額を説明しやすくなります。入金後にどの支払いへ充てるのかを明確にしておくと、過度な資金化を避けられます。
生産計画・在庫・大口受注を説明できる資料
生産計画、在庫一覧、大口受注の資料は、資金需要の背景を説明するために役立ちます。ファクタリングの主な審査対象は売掛金ですが、支払い予定や受注状況を補足できると相談が進みやすくなります。
特に大口受注や増産で資金が必要な場合は、どの売掛金を資金化し、どの支払いに使うのかを明確にしてください。
町工場・個人事業主で必要になりやすい本人確認書類
町工場や個人事業主は、本人確認書類、請求書、入出金明細、取引先との契約書、納品資料を求められることがあります。法人向けよりも本人確認の比重が大きくなる場合があります。
個人事業主として利用する場合は、対象者に含まれるか、初回上限、手数料、入金時間、必要書類を確認しましょう。法人専門サービスは個人事業主を対象外とすることがあります。
目的別に見る製造業向けファクタリング会社の選び方
比較表の7社は、入金スピード、手数料、買取可能額、対象者、オンライン完結への対応が少しずつ違います。ここでは、製造業で起こりやすい資金需要ごとに、どの条件を見ればよいか、比較表のどの会社が当てはまるかを整理します。条件はいずれも各社の公表値で、実際の条件は売掛先や債権内容によって変わります。
原材料費・部品代の支払い日が近い場合
原材料費や部品代の支払い日が近い場合は、入金スピードと手続きの方法を確認します。比較表の7社のうち、時間単位の最短入金を公表しているのはトップ・マネジメント(最短2時間)、日本中小企業金融サポート機構(最短3時間)、PMGファクタリング(最短1.5時間)です。最短即日を公表しているのは法人専門ファクタリングのBIG(見積もり回答は最短30分)と西日本ファクターで、えんナビは最短1日、GMO BtoB早払いは最短2営業日です。急ぎの資金化では、即日資金調達の記事も参考にしながら、何時までに書類を出せば当日の入金に間に合うかを見積もり時に確認しましょう。
工場を離れずに進めたい場合は、比較表でオンライン完結を「可」としているトップ・マネジメント、法人専門ファクタリングのBIG(来店不要・電子契約)、日本中小企業金融サポート機構、西日本ファクターが候補になります。GMO BtoB早払い、えんナビ、PMGファクタリングは手続きの一部に対面や郵送の工程が入ることがあります。オンラインファクタリングでも、納品書・受領書・検収書の確認は必要です。
大口受注・量産前で注文書の段階から資金が必要な場合
大口受注や量産前の材料費は、まだ納品・検収が終わっていないため、通常の請求書ファクタリングの対象になりにくいです。注文書の段階で資金が必要な場合は、比較表の7社のうち、会社紹介で注文書(発注書)段階の買取を案内しているトップ・マネジメントとGMO BtoB早払いを確認します。GMO BtoB早払いは、手数料を請求書買取1~10%、注文書買取2~12%と分けて公表しています。
法人専門ファクタリングのBIGを含むほかの5社は、会社紹介に注文書段階の買取の記載がありません。すでに納品・検収が済んだ売掛金があれば、それを資金化して新しい受注の材料費や外注加工費に充てる方法も比べましょう。
取引先に知られたくない・手数料を抑えたい場合
取引先に知られたくないか、手数料を抑えたいかで、選ぶ契約方式が変わります。取引先に通知せずに進めたい場合は、利用者とファクタリング会社で契約する2社間ファクタリングが候補になります。取引先の承諾を得られるなら、3社間ファクタリングのほうが手数料を抑えやすくなります。
| 項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 取引先への通知 | 原則不要 | 必要 |
| 入金スピード | 早めに進めやすい | 承諾手続きで時間がかかりやすい |
| 手数料 | 高くなりやすい | 抑えやすい |
| 向いているケース | 取引先に知られず進めたい場合 | 取引先の承諾を得られる場合 |
比較表の7社のうち、2社間と3社間の両方の条件を公表しているのは、法人専門ファクタリングのBIG(手数料は2社間5%〜・3社間1%〜)と西日本ファクター(買取可能額の上限は2社間1,000万円・3社間3,000万円、手数料は審査後に提示)です。BIGも2社間では5%〜になるため、取引先に知られずに進めたい場合は他社の公表値とも比べてください。ほかの5社は、比較表や会社紹介に契約方式ごとの条件が載っていないため、見積もり時に確認しましょう。
手数料の下限は、トップ・マネジメントが0.5%〜(商品・契約形態により個別見積り)、GMO BtoB早払いが1%〜12%、日本中小企業金融サポート機構が1.5%〜、えんナビが5%〜を公表しています。PMGファクタリングは審査後に提示です。下限の手数料は条件が良い場合の値なので、見積もりでは追加費用、債権譲渡登記の有無、償還請求権の有無も合わせて確認してください。
大手メーカー・商社向けの大口売掛金を資金化したい場合
大手メーカーや商社向けの大口の売掛金は、買取可能額の上限を確認します。比較表の7社のうち、上限を公表しているのはGMO BtoB早払い(100万円〜1億円)、えんナビ(〜5,000万円)、西日本ファクター(〜3,000万円)で、日本中小企業金融サポート機構は下限・上限とも設定なしとしています。法人専門ファクタリングのBIGは2社間30万円〜・3社間100万円〜で、上限は公表していません。トップ・マネジメントとPMGファクタリングは買取可能額を公表していないため、金額が大きい場合は見積もりで確認しましょう。
町工場・個人事業主・小口で利用したい場合
個人事業主として町工場を営んでいる場合は、対象者を確認します。法人専門ファクタリングのBIGは法人のみが対象で、個人事業主は利用できません。GMO BtoB早払いとPMGファクタリングも対象は法人のみです。トップ・マネジメント、日本中小企業金融サポート機構、えんナビ、西日本ファクターは、法人だけでなく個人事業主も申し込めます。
小口の加工費の請求書を資金化したい場合は、買取可能額の下限を確認します。日本中小企業金融サポート機構は下限を設定していません。えんナビと西日本ファクターも100万円以下の少額買取を案内しています。初回の上限額や手数料体系もあわせて確認しましょう。
製造業でファクタリングを利用する流れ
製造業でファクタリングを利用する流れは、売掛金の確認、支払い予定の整理、必要書類の準備、見積もり、契約、入金後の精算です。急ぎの場面ほど、最初の整理が入金スピードを左右します。

売掛金・入金予定・必要資金を整理する
まず、資金化したい売掛金の請求先、金額、支払期日、製品名、契約形態を整理します。どの請求書を資金化するのかを明確にしないと、見積もり条件を比較できません。
必要資金も同時に整理します。売掛金の全額を資金化する必要があるのか、一部で足りるのかを確認すると、手数料負担を抑えやすくなります。
原材料費・外注加工費・人件費の支払い予定を確認する
次に、原材料費、部品代、外注加工費、人件費、光熱費、物流費など、いつまでに支払う必要があるかを確認します。支払い日と入金予定日を並べると、資金繰りの不足額が見えます。
急ぎの支払いに間に合わせる場合は、申込日、資料提出日、契約日、入金日のスケジュールを逆算します。時間が足りない場合は、即日対応やオンライン対応の候補を優先してください。
必要書類を準備して相談する
必要書類は、請求書、通帳、契約書、発注書、納品書、受領書、検収書、決算書などです。会社ごとに必要書類は異なるため、最初の問い合わせで確認します。
書類が不足している場合は、代替資料で確認できるかを相談してください。検収完了メールや支払通知書など、売掛金の実在性を示す資料が使える場合があります。
見積もりで手数料・入金日・追加費用を確認する
見積もりでは、手数料率、差し引き後の受取額、入金予定日、追加費用、契約方式を確認します。下限手数料だけではなく、自社の売掛金に適用される条件を見ることが重要です。
複数社へ相談する場合は、同じ売掛金・同じ資料で比較してください。条件が違う資料を出すと、手数料や入金日を正しく比べられません。
契約内容と償還請求権の有無を確認する
契約前には、償還請求権の有無、買戻し義務、債権譲渡登記、通知条件、追加費用を確認します。金融庁も、実態として貸付けに近い取引や偽装ファクタリングに注意するよう案内しています。
契約書を読まずに進めると、入金後の精算や売掛先の支払い遅延時にトラブルになる可能性があります。不明点は契約前に質問しましょう。
入金後の回収・精算スケジュールを管理する
入金後は、売掛先からの入金予定とファクタリング会社への精算スケジュールを管理します。2社間では、売掛先から利用会社へ入金された後にファクタリング会社へ支払う流れになることがあります。
売掛先からの入金を別の支払いに使ってしまうと、契約違反や資金繰り悪化につながります。経理担当者と共有し、資金の流れを明確にしておきましょう。
よくある質問
製造業のファクタリングでは、製品納入後の請求書、加工費、手形・でんさい、注文書段階、個人事業主対応など、売掛金の種類によって疑問が変わります。ここでは利用前に確認されやすい質問をまとめます。
製造業の売掛金でもファクタリングできますか?
条件に合えば相談できます。製品納入後の請求書、加工費、部品製造費、OEM製造費など、取引先への請求書が発行済みで支払期日が確認できる売掛金は、ファクタリングの対象として相談できる場合があります。
製品納入後の請求書があれば相談できますか?
相談できる場合があります。請求書に加えて、取引基本契約書、発注書、納品書、受領書、検収書、過去の入金履歴などを用意すると、売掛金の存在を説明しやすくなります。
加工費や部品製造費の請求書でも対象になりますか?
加工費や部品製造費の請求書も、取引先、請求額、支払期日、納品・検収状況が確認できれば相談対象になり得ます。契約書や発注書と請求書の整合性を確認しておきましょう。
注文書だけでファクタリングできますか?
注文書ファクタリングに対応する会社であれば相談できる場合があります。ただし、請求書買取より条件が厳しくなりやすく、製造の実在性、納品見込み、売掛先の信用力、支払条件を確認されます。
検収前や納品前の案件でも資金化できますか?
通常の請求書ファクタリングでは、検収前や納品前で売掛金が確定していない案件は対象になりにくいです。検収後に請求書を発行してから相談するか、注文書ファクタリングや融資など別の方法も確認してください。
手形や電子記録債権もファクタリングできますか?
手形や電子記録債権は、手形割引やでんさい割引など別の方法で資金化することがあります。請求書ファクタリングとは仕組みが異なるため、資金化したい対象を分けて相談してください。
取引先に知られずに利用できますか?
2社間ファクタリングであれば、取引先に通知せずに進められる場合があります。ただし、契約内容、債権譲渡登記の有無、通知条件は会社ごとに異なるため、事前に確認してください。
大手メーカー向けの売掛金は審査で有利ですか?
大手メーカーや商社向けの売掛金は、支払い能力や信用力を説明しやすい傾向があります。ただし、審査では請求書、契約書、納品・検収状況、支払期日、過去の入金実績なども確認されます。
町工場や個人事業主でも利用できますか?
個人事業主や町工場も対象にしている会社であれば利用を相談できます。法人専門の会社は対象外になるため、申し込み前に対象者を確認してください。
赤字決算や原材料費高騰で資金繰りが悪化していても相談できますか?
相談できる場合があります。ファクタリングでは、利用会社の財務状況だけでなく売掛先の信用力も見られるため、赤字決算や一時的な資金繰り悪化があっても売掛金の内容によっては検討できます。
製造業のファクタリング手数料の目安は?
手数料は会社、契約方式、売掛先、支払期日、必要書類によって変わります。製造業では売掛金額が大きくなりやすいため、複数社で見積もりを比較しましょう。
製造業で必要になりやすい書類は何ですか?
請求書、通帳・入出金明細、取引基本契約書、発注書、納品書、受領書、検収書、決算書、試算表、原材料費や外注加工費の支払い予定表などが必要になりやすいです。
ファクタリングと手形割引・でんさい割引・融資は何が違いますか?
ファクタリングは売掛金を売却して入金日前に資金化する方法です。手形割引は受け取った手形を金融機関などで割り引く方法、でんさい割引は電子記録債権を割り引く方法、融資は借入です。資金化したい対象が何かで選び分けましょう。
まとめ
製造業のファクタリングは、製品納入後の売掛金や加工費の請求書を入金日前に資金化し、原材料費・部品代・外注加工費・人件費などの先行支払いに備える方法です。請求書が発行済みで支払期日を確認できる売掛金がある場合は、入金日前の資金化を相談できます。
利用前には、対象になる売掛金、納品・検収の状況、手数料、取引先への通知有無、必要書類、契約内容を確認してください。特に製造業では、粗利の薄い下請け案件や量産案件で手数料負担が重くなりやすいため、受取額と案件利益のバランスを見ることが大切です。
法人の製造業者で、原材料費や外注加工費の支払いに備えたい場合は、法人専門ファクタリングのBIGを含め、複数社に見積もりを依頼して比較しましょう。自社の請求書と入金予定をもとに、無理のない資金化条件を確認することが、資金繰り改善の第一歩です。
参考資料・出典
法令・公的機関・業界団体
- 公正取引委員会「委託事業者の義務」(jftc.go.jp)
- 公正取引委員会「中小受託取引適正化法に関する運用基準」(jftc.go.jp)
- 公正取引委員会「約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化について」(2026年9月2日)(jftc.go.jp)
- 公正取引委員会「『手形が下請代金の支払手段として用いられる場合の指導基準の変更について』の発出について」(2024年4月30日)(jftc.go.jp)
- 電子情報技術産業協会「適正取引の推進とパートナーとの価値協創に向けた自主行動計画」(2025年12月改訂)(jeita.or.jp)
- e-Gov法令検索「民法」第466条(laws.e-gov.go.jp)
- 法務省「債権譲渡に関する見直し(債権の譲渡制限特約)」(moj.go.jp)
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(fsa.go.jp)
- 経済産業省「2025年版ものづくり白書」(meti.go.jp)
- 中小企業庁「2025年版 小規模企業白書 第6節 価格転嫁」(chusho.meti.go.jp)
- 中小企業庁「価格交渉・価格転嫁をしたい」(mirasapo-plus.go.jp)
- 経済産業省「約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請します」(meti.go.jp)
掲載企業の公式情報
- トップ・マネジメント「商品案内」(top-management.co.jp)
- トップ・マネジメント「会社概要」(top-management.co.jp)
- トップ・マネジメント「導入事例 製造業」(top-management.co.jp)
- GMO BtoB早払い 公式サイト(FAQを含む)(gmo-pg.com)
- GMO BtoB早払い「GMOペイメントゲートウェイ「会社概要」」(gmo-pg.com)
- 日本中小企業金融サポート機構「ファクタリング」(chushokigyo-support.or.jp)
- 日本中小企業金融サポート機構 公式サイト(chushokigyo-support.or.jp)
- 日本中小企業金融サポート機構「組織概要・実績」(chushokigyo-support.or.jp)
- えんナビ 公式サイト(ennavi.tokyo)
- えんナビ「よくあるご質問」(ennavi.tokyo)
- えんナビ「ファクタリングの流れとは?」(ennavi.tokyo)
- えんナビ 公式LP(ennavi.tokyo)
- えんナビ「会社概要」(ennavi.tokyo)
- PMGファクタリング「ピーエムジー「法人向けファクタリングサービス」」(lp-01sf.p-m-g.tokyo)
- PMGファクタリング「ピーエムジー「手数料」」(p-m-g.tokyo)
- PMGファクタリング「ピーエムジー「オンラインファクタリング」」(p-m-g.tokyo)
- PMGファクタリング「ピーエムジー「よくある質問」」(p-m-g.tokyo)
- PMGファクタリング「ピーエムジー「会社概要」」(p-m-g.tokyo)
- 西日本ファクター 公式サイト(nishinihonfactor.jp)
- 西日本ファクター「ご利用条件」(nishinihonfactor.jp)
- 西日本ファクター「よくあるご質問」(nishinihonfactor.jp)
- 西日本ファクター「お申し込みの流れ」(nishinihonfactor.jp)
- 西日本ファクター「他社利用中でのお乗換え」(nishinihonfactor.jp)
- 西日本ファクター「会社概要・アクセス」(nishinihonfactor.jp)
当社(法人専門ファクタリングのBIG)の公式情報
- 法人専門ファクタリングのBIG「料金」(big-factoring.com)
- 法人専門ファクタリングのBIG「ご利用の流れ」(big-factoring.com)
- 法人専門ファクタリングのBIG「よくある質問」(big-factoring.com)
- 法人専門ファクタリングのBIG「会社概要」(big-factoring.com)


